幼稚園の先生になりたい方へ

皆さん、こんにちは。聖愛幼稚園園長の野口哲也と申します。
ご承知の通り、幼稚園は先生を募集する年と募集しない年があります。

以下の文章を読んでいただいて、「なんだかこの幼稚園(園長!?)、気になるなあ」と思ったら、
お気軽にメールください。
募集の有無も含めてお知らせしたいと思います。

さて、ここでは、ざっくばらんに私の職員採用に関する考えを書いてみたいと思います。
少々長いですが、採用試験問題のヒントもどこかにちりばめてありますので(!)、
読んでやって下さい。



改めて言うのもなんですが、私は園長という役職にはありますが、
そんなに立派な人間ではございません。
小心者ですし、忘れっぽいですし、お調子者で気分屋です。
このあたりは、うちのカミさんに聞いていただければよくわかると思います。
毎日朝早くから遅くまでとことん仕事するぞ!というタイプでもありませんし、
「気合いと根性でがんばるぞー!」という体育会系のノリはものすごく苦手です。
暑さ、寒さに弱いですし、ルービックキューブの六面は揃えられますが、
それ以外、これといって人様に威張れるような特技もありません。

現場たたき上げ でもなく(一応、免許は持っていますが)、犬と雷と肉が苦手です。
あ、ちょっとがっかりして読むのを止めないでくださいね。
私、こう見えてもクリスチャンなんですが、
神様が私を高慢にさせないために
これだけたくさんのウィークポイントを与えてくれたと思ってるんです。
常に謙虚でいることの大切さを教えてもらっているような気がするんです。
そんな人間なので、私は先生たちに偉そうに接するのが苦手です。
たまたま「園長」なだけだし、たまたま先生たちより何年か先に生まれただけだし、
そもそも先生たちがいなかったら幼稚園は成り立ちませんしね。



だから私はいつも先生たちに「お願い」することにしています。
園長として幼稚園の舵取りをする責任はありますが、
先生たちをあごで使う権利はありません。
だから、「悪いけれど、こっちに進むのに協力してくれないかな?」とお願いするのです。
「いやです」と言う人を無理矢理協力させるのは好きではありませんから、
できるだけ話を聞いて、譲歩するところは譲歩して、
お互いに納得できるところを探すようにしています。
でも、最終的に決裂してしまったときは冷静に「他の船へどうぞ」と言うことにしています。
そこで目的地を変えることは、一緒に乗っている人たちへの裏切り行為になってしまいますから。

これは私の保育観とも似ているんです。
たまたま「幼稚園の先生」なだけだし、
たまたま20年くらい先に生まれただけだし、
園児がいなかったらお給料をもらえませんし…。
「先生様だから言うこと聞け〜」なんて
子どもに上から目線でものを言うのは実におこがましいと思ってます。
相手が大人だろうと子どもだろうと
お願いすべき時には「お願いね」と頼むべきだし、
何かをしてもらったら「ありがとう」と心から言うべきだし、
こちらが間違っていたら「ごめんね」 と謝るべきだと思うのです。

でも、それは子どもに「迎合」することではありません。
たとえば、みんなで決めたルールを守らない子を
「仕方ないわね」と許すことは愛情でも教育でもなく、
単なる子どものゴキゲン取りです。かといって、
「何度も言ったでしょ!」とキレる先生は最悪です。
恐怖で子どもを言いなりにしたいのなら、
私はヤクザのオジサンを採用します。

じゃあ、そんなときはどうするのがいいのでしょうか?
あ、これは採用試験の問題にちょうどいいですね。ということで、
ここでは敢えて書きません(^^)。



さて、皆さん、どんな幼稚園を探していますか?
給料が良くて休みがたくさんあって、先輩が優しくて、
モンスターペアレントもいなくて、園長がジャニーズ系の
イケメンな幼稚園でしょうか。
夢のような職場ですね。
私も是非、そんな幼稚園の園長をしてみたいです
(そしてジャニーズ系のイケメンにもなってみたいもんです)。
ま、仮にそういう幼稚園があったとしても、
一年経ったら、あなたは必ずその幼稚園の「不満」を口にしてると思います。
「もっと」給料がほしい、「もっと」 休みがほしい。「もっと、もっと」と。
人間の欲望は限りがありませんからね。
だから、あんまり高望みしたり、
あれもこれもと欲張ったりしないほうがいいと思いますよ。

もう少し根本に戻ってみましょうか。
人は何のために仕事をするんでしょうかね。
確かに生活の糧を得るために働かなければならないわけですけど、
決してそのため「だけ」じゃないですよね。
それに生活の糧を得るだけならもっと割の良い仕事がありますから、
幼稚園の先生はオススメしません。
大変ですよ、幼稚園の先生は。

うちにはいませんけど、ゴールデンウィーク明けから幼稚園に来なくなる新卒の先生が
たくさんいるそうですし(これは幼稚園にも問題があるかもしれませんね)。(注1)
まだ遅くないです!他の仕事の方がずっと気楽でずっと給料いいかもしれませんよ!
女性が多いから出会いも意外と少ないし(たぶん)。

(「でも、幼稚園の先生になりたい!」って方は次を読んでくださいな)



私は、仕事っていうのは「自己実現の場」だと思っています。
格好つけますけど、「人は自分の能力を誰かのために生かすために生まれてきた」と思うのです。
そして人から認められ、感謝され、愛される。これが仕事の醍醐味ではないでしょうか。
それは子どもを見てもわかります。

聖愛幼稚園には「お当番さん」がいて、
毎日子どもたちが交代でその役を務めます。
お当番さんは、朝の礼拝でお祈りしたり、
出欠を職員室に報告に行ったり、給食を運んだりと
それはもう大忙しです。
もちろん、給料なんか出ません。
でも、子どもたちはみんな「明日はお当番なんだ!」と
本当に嬉しそうに言います。

なぜでしょうか。
それは「人の役に立つことが嬉しい」からです。
自分のおかげでみんなが助かったり、喜んだりする、つまり
自分の存在がこの世の中に必要とされていると実感できるからです。

だから私は、単純に給料や休みだけが
たくさんある幼稚園ではなく(それも大切だとは思いますけど)、
先生が自分の能力を存分に発揮できるような幼稚園にしたいと思っています。
そしてひとりでも多くの子どもから愛され、頼られる先生になってもらいたいのです。



覚えたての拙い字で「せんせいだいすき」って書いてある。
そんな手紙がたくさんあなたに届きます。
「こんな汚い字、読めないよ」って感じる人には何の価値もないかもしれませんが、
この文章を読んでいるあなたには、
その手紙の価値がどれほどのものかわかるはずです。

卒園式、園児のお母さんが泣きながらあなたのところにやってきて
「先生、本当にお世話になりました!」って感謝の言葉をかけてくれる。
卒園してからも毎年年賀状が送られてくる。
デート中でも向こうから「せんせー!」って駆け寄ってきてくれる…。
最後のはちょっと困りますが、でも、幼稚園の先生になると
そういうかけがえのない経験をたくさんすることになります。

もちろん、ただ先生になるだけじゃダメですよ。
でも、毎日一生懸命子どもたちに向き合って愛情を注いでいれば、
子どもたちはそれにちゃんと応えてくれます。
不器用な子もいるし、悪態をつく子もいるかもしれないけど、
そういう子だって心の中では先生のことが大好きなんです。
自分に愛情を注いでくれる先生を嫌う子どもなんか一人もいませんから。



確かに楽な仕事じゃないと思います。
でも、あなたのやる気次第で、豊かな人生経験ができます。
それは単に仕事に役立つだけでなく、あなたの一生を豊かなものにしてくれます。

歳をとって自分の人生を振り返ったとき、
「たくさんお金を稼いだなあ」と思う人生と、
「あの時のあの子たちの笑顔には本当に勇気づけられたなあ」と思う人生、
どちらが幸福だと思いますか。
お金はあなたのことを覚えてはくれませんが、
あなたに習った子どもたちは一生あなたを「先生」として慕ってくれます。

「それでもお金だ!」という価値観を否定はしませんが、
そういう人は幼稚園の先生には不向きだとだけ言っておきましょう。
でも、もしあなたがそういう「お金に換算できない価値」を
この仕事に見いだせる能力をお持ちなら、是非幼稚園の先生になってほしいと思います。
あなたが将来出会うべき子どもたちのためにも…。

園長 野口 哲也

 


聖愛幼稚園では学生さんの「見学」も随時おこなっています。
「聖愛幼稚園に就職するかどうか分からないけど見てみたい」
「幼稚園の先生になるかどうか迷っているけど見てみたい」
「将来子どもに関わる仕事に就きたいから見てみたい」
いずれもウェルカム!でございます。

学生さんの「生の声」はとても参考になるんです。
それを聞かせてもらえるだけでも私としてはとってもありがたいです!

また、「幼稚園の先生」という魅力ある仕事をPRする「チャンス」でもありますので、
精一杯、ご案内させていただきます!

また夏休みは預かり保育のボランティア体験も1日からできますので、
興味のある方はそちらにも参加してみてください!
お問い合わせはお気軽にメールください。



(注1)

平成29年6月14日(水)追記

実は今年度採用した3人の先生のうち、1人は4月、もう1人は6月に体調を崩して退職するということが起こりました。偉そうに「うちにはいませんけど、ゴールデンウィーク明けから幼稚園に来なくなる新卒の先生がたくさんいるそうですし(これは幼稚園にも問題があるかもしれませんね)。」と書いていますが、投げたブーメランが見事に自分に突き刺さってしまい、みっともないことこの上なく、一刻も早く削除したい思いに駆られましたが、反省・自戒の意味も込め、このまま載せて、追記で補足させていただくことにしました。

いざ、自分がそういう状況になってみて感じたことは、やはりすべて「園長の責任だ」ということです。細々した要因が複雑に積み重なってはいるものの、それらを解消したり、そもそも発生しないような「しくみ」を作れるのは園長だけですから。たまたま今までそういう出来事がなかっただけで、「うちの『しくみ』は万全だ」と偉そうにあぐらを掻いていた自分を深く恥じています。

社会人としてのスタートをしっかり守ってあげられなかった、結果的に園児たちに不安と混乱を与えてしまった、いずれも園長として言い逃れのできない大きなミスをしてしまいました。この大きなミスから学び、採用方法、研修制度、勤務体制、フォロー体制、もう一度、一から練り直していきたいと思います。

※学生の皆さんにおかれましては、見学の際には、遠慮無く、この件を根掘り葉掘り聞いてください。